研究成果報告

持続可能な文化遺産マーケティングを考える上で、政策学部、文学部、文化情報学部、社会学部に所属する研究者がそれぞれの学問領域に基づく調査・分析を行い、その成果を可視化して、今後の研究や教育にも役立てるようにするための専用ホームページを構築して公開した。このとき、軸にしたコンセプトは、マーケティング3.0と称される価値主導型マーケティングの概念で、二条城の公式サイトや観光ガイドのホームページで紹介されている見どころだけではなく、あえてそれ以外の部分において、そこに潜んでいるエモーショナルな(感情を揺さぶるような)モノやコトに着目し、それらを写真や文章で紹介・表現し、専用のホームページ「同志社大学SDGs研究プロジェクト~二条城から学ぶ文化遺産マーケティング」(https://joma-doshisha.jp/)で公開することにした。

このページでは、研究メンバーによるフィールドワークの様子を可視化するために、撮影した写真や動画を「フォトギャラリー/ムービーギャラリー」という名のコンテンツとしてアップロードしており、感情マーケティングの観点から価値あるモノやコトになりうる場合、それぞれの写真にそのヒントになるテキスト(文言)を付している。また、京都出身の研究メンバーが「権力の地勢学—都市・京都と二条城」という名のコラム(エッセー)を公開した。40年前からの移りゆく二条城関連の出来事を豊富な資料とともに地勢学の観点で執筆されており、紹介している多くの資料にはその出展ページのリンクが貼られているのでこのページを契機にして二条城に関する新たな研究への展開が期待できる。

さらには、教育との連携として、研究代表者が担当した京都世界遺産PBL科目との連携により、受講生が考える二条城の「価値」について本研究で試みた異なる学問領域の研究者によるおすすめポイントを提示することで、若者が考える持続可能な二条城に関する提案を考えることができた(2023年12月10日キャンパスプラザ京都で行われた成果報告会で発表)。なお、本ホームページでは、ここでもフィールドワークでの写真に「エモいと感じた」ポイントをテキストで見られるようにしてアップロードしており、グループワークとして調査・考察した成果を二条城(京都市)に提案する形でチームごとにスライド形式でまとめて公開した。

2023年6月 大学コンソーシアム京都 「京都世界遺産PBL」フィールドワーク

2023年12月 キャンパスプラザ京都 成果報告会発表スライド